2014年1月26日日曜日
BLUESを演らなきゃ
私が10代だった頃、BLUESがブームになっていた。
と言っても今のAKB48のような国民的なブームではなく
あくまでも洋楽などを聴く、ごく一部の音楽ファンの間でのことではあるが。
世にCDが出始め、その中でBLUESのCDも数々が復刻され始めた。
そういった現象もBLUESブーム再燃の一つの要因であったと思う。
中でもロバート・ジョンソンの「ザ・コンプリート・レコーディング」という
全41曲収録の2枚組のCDが1990年に発売され、かなりの売り上げを記録した。
そのCDはロバート・ジョンソンが残したすべてのテイク(同じ曲の別ヴァージョン多数)
収録した究極盤であった。
このCDがリリースされた年に私は20歳になった。
そのようなCDが売れたなんて良い時代だった。
思えばローリング・ストーンズが初来日したのもこの頃であり
ストーンズの来日もBLUES再ブームの一端を担っていたのではなかろうか。
私自身はこの少し前の高校2年生の頃からBLUESにハマっており
先のロバ・ジョンもCD化される前にアナログ盤2枚をすでに購入していた。
このロバ・ジョンがCD化された1990年に
わたしは7人編成のBLUESや60年代のサザン・ソウルの要素を取り入れた
ROCKバンドでギターを弾いており、スライド・ギターも頻繁に弾いていた。
一時期、ちょっとした音楽事務所に所属(というほどもでないが)しており
そのスタッフ数人がLIVEを観に来た事があった。
LIVE終了後(今では名前も憶えていないが)太った男のスタッフに
打ち上げの席で「お前達はBLUESをわかってないよな」と言われた。
全くBLUESをわかってなさそうなヤツによ(怒)。
そもそも私は音楽に対して「わかってない」という発言が非常に嫌いである。
音楽ってのは「わかる」ものなのか?
じゃ黒人はみんな「BLUESをわかっているのか?」
音楽ってのは「わかる」ものではなく「感じる」ものである。
更に、あの時代、すなわちバブルの終焉を迎える時期に
「日本人にBLUESなんてできない。こんな裕福な国にBLUESなんてない」と言う人もいた。
この発言に対しては、納得できる部分もある。
しかし、あのジミ・ヘンドリックスは言ったそうである
「BLUESってのはお金持ちになればなるほど、できるものなんだよ」と。
まぁ、これは意地悪なインタビュアが
「あなたは成功してお金持ちになって、もうBLUESなんて演奏できないのは?」という
問いに対しての返答だったようである。
時は過ぎ、私を取り巻く状況は大きく変わった。
日本という国も大きく変わった。
今でも私は「BLUESはわからない」
でも、心の中には「BLUE」だらけだ。
虐げられた人たちの中で、私もどうにか生きている。
今こそ、BLUESを演らなきゃ。
俺のBLUE、君のBLUE、この国もBLUE。
そこ、かしこに、BLUESが溢れてる。
すべてはここから始まった
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